株主の皆さまには日頃よりご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

10月以降コロナ感染者数が激減し、政府が行動制限緩和策を打ち出したことから、私たちの日常や人の動きは急速に戻り始めています。ただし、観光業に再び活気が戻り、宿泊需要が回復するかどうかは、今後の政府の対策にかかっていると考えています。

しかしながら、当社グループとしては、コロナ禍の影響を被ったこの2年間の経験を活かし、今後どのような状況になっても持続的に安定成長のできる企業グループを目指して参ります。

そのためには、①社会的な役割を果たしていくこと、②当社グループの強みを活かして付加価値を生み出すビジネスモデルを展開していくこと、③それに並行して様々なリスクを回避するための対策を具体化させていくことが重要と考えています。これらをしっかりと具体化させていきます。

当社の企業理念は「日本の魅力と文化を「体験価値」として提供して、あらゆるお客様に感動と安定的な繁栄をお届けする」ことです。日本には四季折々の風情、2600年以上に亘る歴史と文化、山海に囲まれ豊富な食材の宝庫であるという財産があります。それらを当社グループがホスピタリティーに関わる事業を通じて世界に発信していくことは、観光立国を目指す日本にとって重要な社会的役割であると自負しております。

当社グループの強みは、アセットマネジメントのノウハウを持ち、ホテル運営も行えるバリューアップ型の不動産会社であることです。おかげさまでこれまで多くの実績を積み上げてきましたが、今後もこの強みを活かし、ホテルをはじめ様々な不動産アセットを手掛けていきたいと考えています。さらにそうした強みに期待を寄せる内外投資家とのタイアップにより、次々とプロジェクトを展開して参ります。さらに、現在進めているREIT事業が始まれば、念願の「資産循環型ビジネスモデル」が完成し、業務展開のスピードはますます加速していくと思います。

さて、当社グループはこれまでホテル開発を中心に、相応に規模が大きく長期間のプロジェクトを複数進めてきました。しかし、予見が難しい市況変化などにより計画が狂った場合、業績に与える影響が大きくなるリスクを抱えています。そこで、今後はそうした経営リスクへの対応として、安定した収益基盤の構築にも注力いたします。

将来を見据えて戦略的に展開するスモール・ラグジュアリーホテルの開発はしっかりと進めて参りますが、それに加えて、新たに取得する不動産を新たなパートナーと組成するファンドへ組み入れることにより手数料収益を高めていく、或いは外部への売却により収益を得ていくことを本格的に始動します。当社グループがこれまで手掛けてきた不動産と比べてタイプは多様で、これらをいち早く軌道に乗せるため、グループの体制をさらに強化し、グループノウハウを結集して対応することにより、新たな分野においても確かな存在感を発揮させていくことを目指して参ります。

今年度の業績につきましては先日発表させていただいた通り、順調に進んでおります。

昨年度の決算では株主の皆様にご心配をおかけしましたが、今年度は何としてもV字回復を果たし、「中期経営計画２０２４」初年度としても好スタートを切りたいと考えております。

今後とも、ウェルス・マネジメントにご期待いただき、変わらぬご支援を賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。

ウェルス・マネジメント株式会社
代表取締役社長　千野和俊