株主の皆様には日頃よりご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

海外からの観光目的の個人旅行再開から半年が経過しました。10月の訪日外客数は2019年同月比100.8％となり、新型コロナウイルス感染症拡大後初めて2019年同月を超えるなど、日本においてのインバウンド需要は堅調に回復をしております。円安や滞在の長期化を背景に今後もさらなるインバウンド需要の拡大が見込めると考えております。

最近のトレンドとして、地域の自然環境や文化、伝統などを守りながら、地域資源を持続的に保つことができるような旅行や観光業の取り組み「サステナブルツーリズム」という視点での旅の在り方が注目されるようになりました。実際に、世界の旅行者の約71％がサステナブルな旅行に興味・関心を向け、世界的に旅行に求める優先順位として、地球環境に配慮し旅行を推進していくことがクローズアップされています。このような旅行に対する価値観の変化の追い風を受ける中「サステナビリティと自然環境・地域社会との共生」を理念とするホテルブランド「シックスセンシズ 京都」がいよいよ2024年春に開業いたします。日本の古都京都でも、時代の一歩先を行くウェルネスをベースにしたホスピタリティで、お客様の滞在価値の向上に努めてまいります。

そのほか、上期に「ホテルエミシア札幌」を取得し、引き続き開発と並行して受託資産の増強に注力しております。また、長野県白馬のホテル開発用地取得を完了し、新規ラグジュアリーホテル開発を視野にプロジェクトを進めています。当該プロジェクトにつきましては、バンヤンツリー・グループとホテル運営委託契約の締結に向けた基本合意に至りました。白馬はその雪質からインバウンドのお客様からも大きな注目を集めるスキーリゾートであり、登山やハイキングなど夏場でも集客の見込める自然豊かなエリアです。日本の魅力を海外のお客様に発信し、地域創生を活性化させるという大きな役割を担いつつ、ホテル開発事業の成長をさらに加速してまいります。

当グループのホテル運営事業につきましても、宿泊客数は大幅に増加し、前年を大きく上回る実績で、堅調に推移しております。特に秋の観光シーズンを迎えた京都においては客室稼働率及び一日当たりの平均客室単価も伸びております。2024年春に開業する「シックスセンシズ 京都」に加え、夏には「バンヤンツリー・東山 京都」の開業も予定されておりさらなる収益の拡大を見込んでおります。

新規ビジネスへの取り組みといたしまして、大阪・関西万博でデジタルウォレットアプリを提供するなどWeb3.0 事業で実績のあるHashPort社と業務委託契約を結び、ホテル宿泊券のNFT化^※1を進めております。まだ同業他社が本格導入に至っていないホテルや不動産事業におけるリアルワールドアセット(RWA)^※2市場への参入は、お客様の求める体験価値の向上など従来のマーケットでは提供できなかった新しい価値の創出や、他社との競争優位性を築く絶好の機会であるととらえております。今後も既存ホテルの収益拡大と新規事業機会の獲得を通して益々発展するとともに、お客様に新しい体験価値をご提供できるように努めてまいります。

今後とも、ウェルス・マネジメントにご期待いただき、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

ウェルス・マネジメント株式会社
代表取締役社長　千野和俊

• ※1NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)とは、ブロックチェーンを基盤にして作成された代替不可能なデジタルデータのことで、NFTは二次マーケットでの流通ができるので、購入したNFTは投資であり、二次マーケットでの流通で利益を得ることも可能です。
  NFTに特別なユーティリティをつけることによって、NFT自体の価値向上。特別感を付加価値として販売が可能となります。　(例：スキー場のアーリー入場券、レストラン窓際確約など）
• ※2リアルワールドアセット(Real World Assets)略してRWAは、現実世界の資産「現実資産」を指します。美術品や貴金属などコレクションアイテムだけでなく、債券、自動車、住宅などありとあらゆるリアルな資産を指します