Progress

「中期経営計画2024」の進捗状況とインバウンド需要の回復を見据えた取り組みについて
ブランドストーリー
株主還元

巻頭特集 Interview

「中期経営計画2024」の進捗状況と
インバウンド需要の回復を見据えた取り組みについて
ウェルス・マネジメント株式会社
代表取締役 千野和俊

2022年3月期を振り返っていただけますか。

不動産金融事業、ホテル運営事業とも堅調に推移。
売上・経常利益とも過去最高を大きく更新しました。
不動産金融事業では、「シックスセンシズ 京都」「バンヤンツリー・東山 京都」「バンヤンツリー・箱根芦ノ湖」のホテル開発プロジェクト進展による収益機会の創出により、グループ業績を牽引しました。ホテル運営事業では、「アロフト大阪堂島」の開業による運営ホテルの増加、行動規制緩和による宿泊需要の回復、開業ホテルへのコンサルティング展開などにより業績が改善しました。結果として、売上・経常利益とも過去最高を更新いたしました。

「中期経営計画2024」の進捗状況を教えてください。

開発事業、ファンド事業の両輪で受託資産を積み上げてまいります。
まず、受託資産の積み上げですが、開発事業においては新たな観光エリアでのホテル開発用地の取得や物流施設用地の取得などの検討を進めています。複数の案件が進行しており、上期中に良い報告ができればと思っています。また、ファンド事業も複数の投資会社とのプロジェクトが進行中です。オフィスビル、ロジスティクス、レジデンシャルなど、さまざまなアセットでの検討を進めており、こちらも上期中に発表したいと考えています。
サムティ社と進めているホテルREITは
上場するタイミングを探っています。
REITについては昨年、資本業務提携契約を締結いたしましたサムティ株式会社(以下「サムティ社」)と新たなホテルREITの上場に向けて準備を進めています。両社で3,400億円規模のホテルREITへのパイプラインがあり、当社保有のラグジュアリーホテルもポートフォリオとして組入予定となっており、ホテルREITにとって今後の収益性に大きく寄与できるものと考えています。上場時期は、サムティ社の決算月の本年11月末までを目指していますが、現在は世界的にマーケットが落ち着かない状況が続いていますので、慎重に上場のタイミングを探っているところです。
開発事業としては11件のホテルプロジェクトが進行中。
リブランドを迎えたホテルにもご期待ください。
開発事業としては11件のホテルプロジェクトが進行中です。既に開業して運営中のホテルが6つ。開発・建築を手掛けているホテルが5つです。昨年度に着工した「バンヤンツリー・東山 京都」「シックスセンシズ 京都」は2024年の開業に向けて順調に工事が進んでおります。先日、モックアップルームが完成して視察をしましたが、確かなクオリティの高さを実感いたしました。開業後は皆様に非日常体験を存分にお楽しみいただけると確信しています。また、ニセコ、箱根のホテル開発に向けた取り組みもしっかりと進めてまいります。
また、バンヤンツリー・グループへとリブランドした「ダーワ・悠洛 京都」、「ギャリア・二条城 京都」が、おかげさまでグランドオープンを迎えました。世界を旅する人々に特別な体験を提供するバンヤンツリーという日本初進出のホスピタリティグループの新たなサービスを、是非ご堪能いただきたいと思います。
ガバナンスの強化と人事戦略。
プライム市場に向けた取り組みを計画的に進めていきます。
まずは「コーポレート・ガバナンスの強化」です。
この度、「監査等委員会設置会社」へ移行することにいたしました。取締役会の監督機能の強化、意思決定の迅速化などを図り、一層のコーポレート・ガバナンスの充実を目指します。
もう1つは人事戦略です。将来の当社を支える人材の育成に取り組むべく、前期から新卒社員の定期採用を開始いたしました。フレッシュな社員から刺激を受けて、私自身も中期経営計画の目標達成に向けて気持ちを新たにしたところです。また、日本型経営、家族型経営へと舵を切りました。それらは日本が躍進を続けていた70〜80年代のスタイルです。社長を頂点とするフラットな組織から役員・部長を核として業務を展開するチーム型組織へ組織運営のあり方を変える。“個人主義”や“競争”を特性とする欧米型の経営から、“集団主義”や“協調”を重んじる日本型の経営に回帰させる。すべての従業員を家族同様に思いやっていた時代の経営に立ち戻り、日本のGDPを再び成長させる・・・そんな想いがあります。

今後の取り組みについて教えてください。

パイプラインの確実な実行、新たなファンドの設立、
ホテル事業収支の改善によって2年目計画を完遂する。
直近の目標は、「中期経営計画2024」の2年目計画(取扱高600億円/売上高150億円/経常利益65億円)の完遂です。目標達成のためのポイントは3つあります。一つ目は、計画中のパイプラインの確実な実行です。現在運営中のホテルを、ホテルREIT上場時にどれだけ拠出できるかがポイントになります。二つ目は、新たなファンド事業の具体化。そして三つ目がホテル事業収支の改善です。特に、ホテル事業については保守的な計画にしていますが、政府の観光事業における経済対策次第で大幅な改善が見込まれるため、大いに期待しているところです。
今後のインバウンド市場の主役はASEAN諸国の富裕層。
日本におけるラグジュアリーホテルの需要と供給のギャップを
埋める役割を担っていきたい。
コロナ・ショックの影響を受けたホテル事業収支は、そう遠くないうちに回復すると考えています。その背景としては、行動規制緩和による国民意識が戻ること、また、政府の水際対策の緩和によるインバウンド客数の回復があります。また、その後も親日国の多いASEAN諸国の富裕層の増加と訪日重要の高まりを見込んでいます。
10年前にはわずか800万人程度だった日本のインバウンド市場はアベノミクス以降、3,000万人規模の市場へと急拡大しました。これは、政策の後押しもさることながら、当時サプライチェーンの中心を担っていた中国が豊かになり、それに伴い訪日客数が飛躍的に伸びたことが背景にあります。そのサプライチェーンの中心は、中国からASEAN諸国にシフトしていくと思います。政府は2030年までに6,000万人という目標を設定していますが、今後それを牽引するのは中国ではなく、ASEAN諸国だと、私は考えています。
しかし、日本には大きな課題があります。それは、地方に上質なインバウンド宿泊施設が不足していることです。「コロナ後に訪れたい国」として絶大な支持を得ていながら、わが国は観光先進国と比較してラグジュアリーホテルが圧倒的に不足しているのです。そのギャップを埋められるのが当社の強みです。ホテル開発企業として15年の歴史と実績があり、スモールラグジュアリーホテルに適したエリアや立地、スペックなどを熟知し、世界的なホテルブランドとネットワークを持つ当社だからこそ担える使命をしっかりと果たしてまいりたいと考えています。
財務戦略の強化が経営課題のひとつと認識。
健全性とリスクテイクのバランスを取りつつ成長スピードを上げていきます。
当社の成長スピードを上げていくために、財務レバレッジ(※)を高めていくことが必要だと考えています。
堅実経営は当社の特徴のひとつですが、一方でレバレッジの効いた経営が十分でないと分析しております。株主・投資家の皆様が当社に物足りなさを感じている部分があるとすればそこではないか、との想いもあります。そのため、財務戦略を今一度見直し、強化させていくことを経営課題として取り組み、成長スピードを上げていきたいと考えています。
(※)財務レバレッジ:総資産 ÷ 株主資本

最後に、株主・投資家の皆様へのメッセージをお願いします。

創業以来の強みを一層磨き、成長し続けることをお約束します。
スモールラグジュアリーホテルの開発という、創業以来の強みを磨いて企業価値を高め、成長を継続する。それが、ご支援をいただいている株主の皆様へ安定的に利益を還元するための方法だと信じています。
株主・投資家の皆様にはさらなる成長を目指す当社へ引き続きご期待いただき、変わらぬご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。
banyantree_logo

当社グループと世界有数のホテルブランドが
ホテル開業に向けてどのように協働しているか一部をご紹介します。

日本初上陸 「バンヤンツリー・東山 京都」の開業に向けて
当社グループと、世界有数の独立系ホスピタリティグループのひとつ「バンヤンツリー・グループ」は、2019年3月にホテル運営委託締結を結んで以来、日本初上陸のホテルブランド開業にむけて共に歩んできました。2022年6月17日には、バンヤンツリー・グループとして「ダーワ・悠洛 京都」、「ギャリア・二条城 京都」がグランドオープンを迎えました。
そして、いよいよ2024年春には、当社グループとバンヤンツリー・グループの協働体制の集大成ともいえる「バンヤンツリー・東山 京都」が開業を迎えます。
プーケットをはじめとするアジア諸国のリゾートにおいては、既に世界中のファンを獲得し独自の世界観によって数々の受賞歴に輝くホテルブランドである「バンヤンツリー」。このバンヤンツリーブランドを日本に初上陸させ、開業や運営を成功に導くために、双方でどのような取り組みをしているのか、ホテルブランドや開発中のホテルと共に一部ご紹介します。

voice

ブランドの世界観と地域性の融合を
大切にしています
株式会社ホテルWマネジメント
 代表取締役社長 近持淳

快適な時間と空間づくりを通して、日本の魅力と文化を「体験価値」として提供するという私たちグループの理念を、どうやってホテルに具現化していくか、運営者として奮闘しています。さらに、ブランドの持つ独自の世界観を地域と融合させて、どうサービスに昇華させていくか、ここでしか体験できないホテルのホスピタリティを築き上げるため、関係者の皆さんと日々努力を重ねています。
 

ゲストにWOW!と感動していただくことが
私たちのミッションです バンヤンツリー・グループ
 日本代表 椎名祥子

バンヤンツリーとは、旅のロマン、人や文化との繋がり、生涯忘れられない思い出を作ることをコンセプトとしたブランドです。五感の聖域という言葉通り、ゲスト一人一人の感情を目覚めさせることで特別な体験をご提供することを、開発の段階から念頭に置いています。また、地域に根付いた運営で、大切な東山の歴史文化を守ります。
 

バンヤンツリー・東山 京都

バンヤンツリー 東山
京都初、能舞台を設えたラグジュアリーホテル

敷地は、清⽔寺や⾼台寺など京都東⼭の観光集積エリアに位置しながら、京都市内を⼀望できる⾼台に佇んでいます。施設内には、⼤きな特徴として京都市内のホテルで唯⼀となる能舞台の建設を予定しています。さらには天然温泉の源泉を有し、温泉付きの客室も一部完備。温泉を活⽤したバンヤンツリー・スパにも期待が高まります。

バンヤンツリー 東山
バンヤンツリー 東山

バンヤンツリー・グループの世界

1984年。
バンヤンツリーの創業者が、プーケットの鉱山の跡地を買い取り、7,000本もの植林を始めて酸性化した土壌を浄化したことが開発の始まりでした。世界中でサスティナビリティを唱え始めた2000年代よりもずっと以前から、地球環境や美しい自然を大切にして開発に取り組んできたバンヤンツリー独自の世界観がブランドの根底にはあります。

歴史
HISTORY

画像
画像
画像
画像

1984年、バンヤンツリーの創業者が、プーケット(タイ)のバンタオ湾にある錫鉱山の跡地550エーカー(約220ヘクタール)を取得しました。
激しく汚染されていたその土地の浄化を決意し、7,000本を超える樹木を植樹し、酸性化した土壌を懸命に改善しました。
その結果、10年後の1994年には、バンヤンツリー・グループのフラッグシップ リゾートとなるバンヤンツリー・プーケットを開業するに至ったのです。 このはじまり以来、我々の「旅行」、「サステナビリティ」、「発見」、そして「旅のロマン」への情熱と集中が現在の事業の中心となっています。

アジア初の統合型リゾートであるラグーナ・プーケットは、現在9つのリゾートホテルがあり今後も開発は続いています。

世界観
BRAND

画像
画像
banyantree_logo

A SANCTUARY
FOR THE SENSES

五感の聖域

忘れられない思い出となる
特別な非日常体験

旅のロマンと環境への意識

ぜひバンヤンツリー・グループ
グローバルサイトで
その世界観をお楽しみください

PROGRESS Vol.4以前はこちらから